親の離婚や再婚は、子どもにとってどれくらい大きな出来事なんだろう。
大人になった今なら、それぞれに事情があったのだと思える。
でも、当時の私は、ただ起きていることを受け止めるしかなかった。
家族の形が変わっていく中で、どう感じていたのか。
子どもだった頃の自分の気持ちを、振り返りながら書いてみたいと思う。
当時の状況
両親は、私がまだ小学生の低学年の頃に離婚した。
私は父に引き取られ、妹と一緒に生活していくことになった。
日々の生活は、祖父母に助けられることも多く、愛情注がれて育っていったという感覚だったと思う。
ただ、小学校の高学年になる頃、家の中の空気が少しずつ変わっていった。
父にパートナーの存在を感じるようになり、夜、家にいない日も増えていった。
当時は詳しいことまでは分からなかったけれど、子どもながらに、何かが変わっていくことだけは感じていた。
そうした変化の中で、新しい家族が増えることになり、父は再婚することになった。
感情
小さい頃から、私はいわゆるパパっ子だった。
妹と父と3人で過ごす日々は、私にとって当たり前で、安心できる時間だった。
祖父母にも可愛がられていて、母がいない生活ではあったけれど、それなりに満たされていたと思う。
父が家を空ける日があっても、当時は仕事や出張だと思っていて、深く気にすることはなかった。
ただ、あるとき、大人同士の会話をきっかけに、家の中で起きている変化を知ることになる。
父に新しいパートナーがいること、そして、新しい家族が増えること。
そのときの気持ちは、うまく言葉にできないけれど、今振り返ると「裏切られた」という感覚に近かったと思う。
大好きだった存在を、誰かに取られてしまったような、そんな気持ちだった。
「どうして変わってしまうんだろう」
「このままじゃダメだったのかな」
何度もそんなふうに思ったし、正直、新しい家族を受け入れたいとは思えなかった。
あのときの私は、ただ、これまでのままでいたかっただけだった。
子どもとしてのしんどさ
あの頃、何度も考えていた。
自分は何のために生まれてきたんだろう、と。
母は子どもにあまり関心がない人だったし、父も、どこかで家庭よりも別のものを選んでいるように見えた。
もともと望まれて生まれてきたのかどうかも、正直よく分からない。
それなら、どうして私はここにいるんだろう、そんなふうに思うこともあった。
子どもは、親を選べない。
そして、その環境の中で生きていくしかない。
家族と学校が世界のすべてだったあの頃、どんなに苦しくても、受け入れるしかなかった。
今振り返って思うこと
ただ、あの環境で過ごしてきたことが、今の自分にまったく影響していないかというと、そうでもないと思う。
あの頃はただ必死だったけれど、振り返ってみると、少しずつ自分の考え方や行動に表れている気がする。
生きていくには何が必要なのかを考えたり、自分で動かないと何も変わらないと感じたり。
誰かに頼るというよりも、自分でなんとかしなければいけない、そんな感覚が自然と身についていった。
お金を稼ぐことも含めて、「自分の生活は自分で支える」という意識は、あの環境の中で育ったものだと思う。
強くなろうとしたわけではないけれど、結果的に、少しだけたくましくなったのかもしれない。
あの頃の自分にはしんどい時間だったけれど、今の自分につながっている部分もあるのかもしれない。
今の自分
今でも、ふとした瞬間に思い出して、苦しくなることはある。
友達の家庭の話を聞いて、「いいな」と感じることも正直ある。
でも、それはもう変えられないことでもある。
だからこそ、この環境で育ってきたことを、これからどう生きていくかに繋げていきたいと思っている。
あの頃の自分には、選ぶことはできなかったけれど、今は少しずつ、自分で選べるようになってきたから。
そしてもう一つ、大人になってから強く思うようになったことがある。
子どもは、自分の意思で生まれてくるわけではないということ。
だからこそ、命を迎えることや、家族をつくることは、とても重い選択なんだと思う。
あの頃の自分のように、しんどさを抱える子どもが、少しでも減ってほしいと願っている。
あの頃の自分にとっては、受け入れることしかできなかった出来事だった。
どうすることもできない中で、自分なりに折り合いをつけながら、なんとかやってきたのだと思う。
今でも思い出すと苦しくなることはあるし、うらやましいと感じる気持ちが消えたわけではない。
でも、あの経験があったからこそ、自分で考えて動く力や、生きていくための感覚が身についたのも事実だと思う。
過去は変えられないけれど、これからどう生きていくかは、少しずつ自分で選べる。
あの頃の自分にはできなかった選択を、今の自分はしていきたいと思う。
そして、子どもにとっての環境が、少しでもやさしいものになることを願っている。


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